これまでSalmonsとしてやってきた、ラブコメやOLをモチーフにしたアフリカ布・カンガの写真展。
10年前にタンザニアでカンガに出会って、美しさと面白さに心奪われたことがきっかけでした。
当時(一部では今も)世間にあふれていた「もの珍しいアフリカ」「意外といいものがあるアフリカ」にどうしても違和感があって、純粋に心からいいものをいいと思える瞬間をつくりたいという気持ちでやっていました。
その後メンバーがそれぞれカメルーンやら石巻やらトルコやら違う場所に住んで、3人一緒に同じものを見た衝動から少し離れる時間が続きました。
話がうまく噛み合わなくなったことも。
ただその噛み合わなさにヒントがある気がして2017年はイベントをしたりしながらも、そのあたりをぐるぐる考えていました。
アフリカはもちろん、異文化というものを伝えるのに、美しさと面白さだけでは足りないのかもしれない。
最近のSalmonsが至った一つの結論です。
異なる環境に生きる人や社会に触れたとき、ワクワクして美しいとか面白いとか感じる瞬間はもちろんあって、それはとても素晴らしいけれど。
同じくらい、今までの自分とは「異なる」ことの難しさへの葛藤があるはずで。
一方で異なる世界が存在することによって、今まで生きてきた場所の息苦しさから救われることもある。
そういうところを全部含めた活動をしていきたいなと思いました。
活動内容は変遷しているけれど、私たちが10年前から変わらず、ずっと見てみたいと思っているのは、「自分とは異なる」他人を反射的に否定したり排除することのない世界です。
その世界を見るには、「自分とは異なる」ことを「楽しみましょう」と言うだけでは、物足りないと思うのです。
異なるものに触れたときの胸騒ぎも葛藤も救いも、全部ちゃんと語り合える場をつくりたい。
「○○国のここがすごい!」と誇張したバズらせ記事。
「△△国の人はだめ」とは言うけれど、筆者の仕事能力の問題はないの?という疑念の残るブログ記事。
「××国ではこうなのに、日本人は遅れてる」と煽るSNSの投稿。どっちか一つが正しいの……?
インターネットにはそういう異文化の話があふれているけれど、もっとゆっくり目を凝らして、異文化に触れたときの自分自身と向き合えたら。じっくり語りあうことができたら。
そんなことを考えて、まずは3人で発信してみようと準備中です。
プロジェクト名は、「CultureShockS」。
まずはカルチャーショックの胸騒ぎと葛藤と救いを表現したコンテンツのある、ウェブメディアを立ち上げる予定です。
そのウェブメディアをSalmonsの3人以外の人とも語れる場にしたいし、ウェブに限らずカルチャーショックを追体験できるイベントやモノも仕掛けていきたい。
そんなことを計画しています!
ゆきこ
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